冬になると窓やサッシがびしょびしょに。朝起きてびっくりすることも多いですよね。窓が濡れているだけだと思って放置しておくと、家や人に様々な悪影響を与えることがあります。
放っておくとできてしまう結露の対策をして快適に過ごしましょう。
結露の原因とトラブル
原因1. 室内と屋外の温度差
そもそも結露はどうして起こるのでしょうか。
暑い夏に、冷たい水やアイスコーヒーを入れたグラスを放置していたら、しばらくするとまわりに水滴がたくさん付いていますよね。これは暖かい空気が冷たいグラスに触れることで冷やされ、空気中の水蒸気がグラスの表面に付着することにより起こります。
これと同じことが起こっているのが「結露」です。
グラスの外側が暖かい室内、グラスの中が気温の低い外というわけ。外は寒いのに室内が暖かい「内外温度差」により、グラスと同じことが起こるんですね。
原因2. 湿度が高い
冬場は空気が乾燥しているために加湿器を使っている人も多いですよね。
加湿器をたいて湿度を高くしておけば肌の乾燥も防げるし、厚生労働省によれば適度な湿度(50〜60%)を保つことで気道粘膜の防御機能アップも期待でき、インフルエンザ予防にもなるそうです。
しかし、結露の面では良いことではありません。室内の湿度が高くなるというのは、水蒸気が多くなるということ。温度差により水蒸気が凝縮していき、結果的に結露の原因となってしまいます。
結露を放置すると起こるトラブル
結露したまま放置するとカビが発生してしまいます。
カーテンの裾や、アルミサッシの黒ずみなど、目に見える「表面結露」は、タオルなどで拭き取れるので、比較的対策しやすい結露。
しかし結露にはもう1種類「内部結露」というものがあるんです。壁の裏側や、タンスの裏側などにおこる結露で、結露しても拭くことが難しいので、カビが発生しやすくなってしまいます。
カビは暖かい室内かつ、ある程度の湿度がある場所が大好き。さらに繁殖してしまう条件として「ほこり」があります。
人の移動などで空中に舞い上がったほこりが、結露した窓に付着。こうなってしまうとカビが爆発的に増えてしまうんです。
カビは目に見えない胞子を飛ばしています。そうした胞子を吸い込んだりして、喘息やアトピーといったアレルギーの原因になってしまったり、肺炎につながってしまうということもあります。
また、壁紙が結露すると壁紙が剥がれたり、シミができてしまったり。さらに放置すると溜まった水滴が内部の木材や壁紙に垂れ、腐食の原因になってしまうことも。こうなると家の寿命にも関わってきてしまいます。早めの対策が必要です。
結露を防ぐための対策
換気をして室内の水蒸気を逃がす
温度や湿度を屋外と一緒にすれば、温度差がないので結露することはありません。とはいえ外と同じだとさすがに生活できないので、こまめな換気をしましょう。
換気によって室内の水蒸気を外へ逃がしてあげることが大切ですよ。その際、押入れなどの収納も扉を開けて換気しましょう。
押し入れの中も締め切ったままにしていると湿度が高くなっています。押入れ内もカビが生えたりしてしまうので、こまめに開けて換気するといいですね。「水とりぞうさん」などの除湿剤を使うのもおすすめです。
家具の配置を工夫する
タンスや本棚、家電など壁にピッタリくっつけて配置していると、裏側の部分だけ暖房が行き渡らず、温度ムラができます。実に意外なところが結露してしまうので、暖房が後ろまで回り込むようにしましょう。
壁から10cmほど離して設置するのがおすすめですよ。
扇風機を利用する
扇風機やサーキュレーターを使って温度ムラをなくす。暖房を部屋全体に行き渡らせる効果がありますよ。
結露してしまう窓の前に設置すれば、窓近辺で空気が停滞しないようにもできますね。窓で空気が冷やされてしまう前に、空気を入れ替えちゃいましょう。
室温を上げすぎない
外の温度と室内の温度差が大きいと結露しやすくなります。暖房器具で室温を上げすぎないことが大切です。
ガスや石油ファンヒーターなどの水蒸気を発生させる暖房器具ではなく、エアコンや電気ストーブなどの電気式の暖房器具に変更すると、湿度も抑えることができますよ。
断熱シートを貼る
窓に断熱シートを貼って覆ってしまえば「空気の層」ができるため、窓ガラスからの熱の伝わりが小さくなります。その効果によって暖房の効きも変わってくるし、電気・ガス代の節約にもなりますね。さらに結露の抑制にも効果がありますよ。
水で貼ってキレイにはがせるタイプなら、春になって剥がす際にも楽ちんですね。寸法が足りずに「ココだけ」などは余り意味がないので、窓全面に貼るようにしましょう。
水槽や観葉植物を窓から離す
水槽からはもちろん、植物からも水蒸気が出ています。窓の近くに置いてしまうと窓付近の湿度が上がってしまいます。
特に植物は日光を当てたいと思い、窓付近に置くことも多いですが、結露がひどいようなら置く場所を変えましょう。
食器用洗剤で窓を拭く
窓を食器用洗剤で拭きあげると、結露を防止することができます。
食器用洗剤には「界面活性剤」が含まれていますよね。この界面活性剤には水を弾く性質を持っているため、膜を作ることで結露を防ぐ事ができますよ。車のワックス掛けみたいなものですね。
概ね「20:1」の割合で水と洗剤を混ぜあわせ、雑巾などで軽く絞って拭き上げましょう。1週間ほどで効果がなくなってしまうので、週1,2回ほど拭くようにしましょう。
除菌エタノールで掃除するのもオススメ。菌の胞子が付いていて、まだカビが発生していない可能性があるので、予防の意味でも除菌しておくと良いですね。日々コツコツとやっておくことが重要です。
結露してしまった後は
しっかりと拭き取る
できてしまった結露はしっかりと水分をとっておくことが重要です。タオルで毎回拭いてもいいですが下に垂れて窓枠やサッシがびしょびしょになってしまいます。
そんな時便利なのが結露取りワイパーです。普通の水切りのようですが、取っ手の部分に水が貯まるようになっているので辺りを濡らすことがありません。
逆流しにくいようになっているので、手が滑って落としてしまっても水がこぼれにくく安心ですよ。
吸水テープを貼る
結露を毎回拭き取るのが面倒な人にぴったりなのが吸水テープです。幅広タイプでしっかりと結露を吸収してくれます。
内と外両面に絵柄が入っているので見栄えも良いですね。
代わりに水を吸ってくれるので、カーテンの裾が結露でびしょびしょになってしまうのも防いでくれますね。