電車で行きやすい!関西にある「藤の名所」おすすめ4選

ゴールデンウィークはちょうど「藤の見頃」の時期と重なっています。お休み中はキャンプに遊園地にと、連日アクティブに遊んでいると思いますが、ちょっと趣を変えて「旬の花」を愛でてリフレッシュしませんか?

藤は見頃が短いので見物客が分散されず、人気スポットには渋滞が常です。せっかくのお休みなので渋滞でイライラするのは嫌ですよね。

そこで、関西にいくつかある「藤の名所」の中から、電車で行きやすいスポットを紹介します。

 

【奈良県奈良市】春日大社


公式:春日大社

世界遺産の春日大社。近鉄奈良駅から歩くとちょっと距離がありますが、興福寺・奈良公園と観光スポットが並ぶので歩いても苦にはならないのではないでしょうか。

本殿の門から入ってすぐ左手、本社前に藤棚があるのを見たことありませんか?この藤が5月のGWに見頃を迎えますよ。

神社の社紋にも使われている、紫色の見事な藤。藤棚から長く垂れ下がる藤は「砂ずりの藤」と呼ばれています。本社の朱色とのコントラストも美しいですよ。

また、参道途中にある「萬葉植物園」でも藤が満開を迎えていますよ。万葉集に縁のある植物が植えられた植物園で、植物園南庭にある「藤の園」には、20品種200本もの藤が集められています。早咲きから遅咲きの藤まで、約2週間かけて順番に咲いていきます。

品種の数が多いので「自生している藤」にはない魅力も。強い香りがするもの、濃いピンク色の藤など他では見られないさまざまな珍しい藤を見ることができますよ。また、「立ち木造り」と呼ばれる形式で植えられていて、歩いている目線の高さに藤があるのが特徴です。見上げる必要が無いので、種類と量が多い「藤の園」ではピッタリの鑑賞方法ですね。

見頃時期と参拝時間

4月下旬〜5月上旬
6:00〜18:00

萬葉植物園
9:00~16:30(17:00閉門)

料金

参拝
無料(回廊内特別参拝料500円)

萬葉植物園
大人500円, 小人250円

アクセス

電車
大阪駅より約1時間20分
JR「大阪駅」→大阪環状線→「鶴橋駅」→近鉄奈良線→「近鉄奈良駅」下車、徒歩約30分。
もしくは、近鉄奈良駅より春日大社本殿行きバスで「春日大社本殿」下車すぐ。または市内循環外回りバスで「春日大社表参道」下車、徒歩10分徒歩約30分

自動車
梅田より約1時間
阪神高速13号東大阪線→第二阪奈有料道路終点より約20分
有料駐車場あり(1000円/1日)

奈良を代表する観光スポット

東大寺もいいですが、たまには興福寺へ行ってみましょう。五重の塔はとても大きく、写真を撮るのも一苦労するほど。北円堂は珍しい八角堂の形をしています。再建された鎌倉時代初期の物が今も残っている国宝です。

仏教美術の傑作が収蔵されていてます。例年春と秋に特別拝観が行われていて、ちょうど藤の見頃時期に見ることができますよ。

 

【大阪府泉南市】熊野街道 信達宿の野田藤


▶公式:熊野街道信達宿藤保存会

泉南市の熊野街道は信達宿(しんだちしゅく)にある、故・梶本昌弘さん個人宅の藤棚。奥様の華展用に買った「藤ノ木(根つき)」の残りを家の片隅に植え、愛情を込めた丹念な手入れをすること35年。藤棚に約4万房をつける四方約30mの立派な藤にまで成長しました。

15年ほど前から自宅を開放し始めた梶本さん。はじめは近所の人達だけが鑑賞していたのが、噂を聞きつけて見物客はどんどん増え、ここ10年は3万人を超える来訪者。梶本さんが亡くなったあとも保存会が意思を継ぎ、今も継続して手入れをされ、毎年「ふじまつり」が行われています。今では「大阪府ミュージアム構想」のベストセレクションにまで選ばれ、大阪府全体を動かすまでになっています。

梶本さんの家の横にある道路を通り抜けながら、頭上の藤棚を鑑賞できます。また藤棚のそばには、手作りの鑑賞台も設置されているので、スケールの大きな藤棚を上から眺めることも。藤を上から見れる所ってあまりないので、貴重な体験になりますね。眼下に広がる藤は紫の雲海のようで圧巻ですよ。

期間中の土日にはミニコンサートや餅つきのイベントなども開催。夕方からは中庭以外の藤棚がライトアップされ、違った趣の藤を楽しむことができます。中庭は17:00に閉まるので昼と夜と2階訪れるのがいいと思います。

熊野街道沿いにも「熊野街道花あかり」としてランタンが設置されるので、灯りをたどりながら散策できますよ。

見頃に行われる「ふじまつり」の時期

4月下旬の1週間ほど
10:00〜17:00(ライトアップは20:00まで)

料金

無料

アクセス

電車
大阪駅より約1時間15分
JR「大阪駅」→大阪環状線・阪和線→「和泉砂川駅」下車、徒歩8分

自動車
梅田より約1時間
阪神高速16号大阪港線・阪神高速4号湾岸線「泉佐野南IC」より約20分
無料駐車場あり(長慶寺駐車場)

「ふじまつり」に合わせて行われる特別公開


▶:泉南市観光ガイド 恋するせんなん

せっかくですから、故・梶本さんの意思を尊重して熊野街道付近で寄り道をしましょう。

土日には江戸時代、紀州徳川家の参勤交代道中の宿「本陣跡 角谷家」と、江戸時代の泉州地方の豪農屋敷「旧庄屋屋敷 山田家」が特別公開されます。角谷家の方は近いので徒歩で行けますよ。

外観も趣があって良いですし、紀州徳川のお殿様が泊まった宿を見学し、歴史に思いを馳せてみるのもいいですね。

【大阪市福島区】下福島公園


▶公式:大阪市

豊臣秀吉も見物に訪れた福島は野田の藤。その後「吉野の桜、野田の藤、高尾の紅葉」とわらべ歌にも歌われました。福島の野田一帯は野田藤の発祥地であり、福島区の花にも指定されています。中でも下福島公園は広く、藤の花を楽しむことができる公園ですよ。大阪の中心地にあるので、これ以上無いぐらいアクセスが良いですね。

公園を囲むようにたくさんの藤棚が広がっていて、まさに都会の中のオアシス。高さもいろいろあるので立体的に楽しめますよ。都会の中にある為か密集した藤で、辺りはとてもいい香りが充満しています。お弁当など持ち込んでピクニック気分でゆったりと鑑賞するのがおすすめですよ。

周辺の公園一帯で行われる「のだふじ祭り」期間中は模擬店も出店。野田藤せんべいと野田藤ビールで一杯も良いですね。

見頃に行われる「のだふじ祭り」の時期

4月中旬から5月上旬にかけて

料金

無料

アクセス

電車
大阪駅より約12分
JR「大阪駅」→大阪環状線→「福島駅」下車、徒歩11分

自動車
梅田より約7分
コインパーキング有り

野田藤発祥の地


出典:http://atamatote.blog119.fc2.com/blog-entry-114.html

せっかくなので野田藤発祥の地へ寄っていきましょう。下福島公園からもすぐの「春日神社」に石碑が残っていますよ。藤の時期にだけ「御朱印」もいただけますよ。朱印帳は忘れずに持っていきたいですね。

お参りをした後は、周囲にたくさんある野田藤スポットを巡りましょう。

 

【京都府宇治市】平等院


▶公式:平等院

10円硬貨にもデザインされているので、知らない人はいない世界遺産「平等院」。京都でも屈指の観光スポットですが、実は藤の名所としても有名なんです。

推定樹齢280年ともいわれる藤は、春日大社の藤と同様に、地面の砂に花が届きそうなほど長いので「砂ずり藤」と呼ばれています。境内は開放感があるので、風が吹くたびに揺れる藤のすだれはどこか涼し気な感じもします。

やはり「藤のすだれ」の向こうに本殿が見られる構図は特に人気があります。人が途切れるのを気長に待ってでも写真を撮りたいですね。

実は数年前まで房の数も減り、短い花穂しかつけなくなっていました。平成24〜26年に行われた平等院の大改修を機に、専門家の指導のもと大胆な剪定がされ美しさを取り戻しつつありますよ。

また、境内にたくさん咲き誇るツツジも見頃を迎えています。どうしてもインパクトの有る藤に人気が集中しますが、赤や白の大きな花を咲かせたツツジは本当に綺麗です。ツツジと藤棚も近くにあるので一緒に写真に収めることも可能ですよ。

藤の見頃と拝観時間

4月後半から5月初めにかけて

庭園…8:30〜17:30

拝観料(庭園+平等院ミュージアム鳳翔館)

大人600円
中高生400円
小学生300円

アクセス

電車
大阪駅より約1時間30分
「大阪駅」→JR京都線→「京都駅」乗り換え「奈良線」→「宇治駅」下車、徒歩11分

自動車
阪神高速12号守口線・近畿自動車道・第二京阪道路・京滋バイパス「宇治西IC」より約10分
周辺にコインパーキング有り

宇治に来たら宇治上神社へ

宇治川を挟んだ向かい側に、宇治上神社が平等院の鎮守社として鎮座しています。国宝に指定されている本殿は、日本最古の神社建築です。なんと平安時代後期に建てられたものだとか。改めて日本の歴史の深さを知ることができますね。