数百年受け継がれてきた日本の美!京都で苔めぐりの旅に出よう

昔は盆栽のイメージが強かった苔ですが、最近は若い子も苔玉だったり観葉植物と共にお部屋の中で育てる人も多く、おしゃれな存在に。

日本庭園に欠かせない「苔」を見に行ってみませんか?プロにより長い年月をかけて育てられた苔は、存在感も違います。

関西で苔の名所が多い所といえばやっぱり京都。寺院の多い京都は美しい庭園がたくさん見られますよ。京都で苔の姿が堪能できるおすすめスポットを紹介します。

1つのお寺に行くと周辺で「もう1スポット」行きたいですよね。合わせて訪れることのできる近くのお寺も紹介します。

 

【京都市左京区】天台宗 京都大原 三千院


▶公式:京都大原 三千院

京都の中心から北に外れた大原にある三千院は、豊かな自然の中ひっそりと佇む寺院。紅葉や雪景色でも有名な「苔の庭園」は、東洋の宝石箱と称されています。

庭の苔と一体になった「わらべ地蔵」がとても愛らしく、見ていると穏やかな気分にさせてくれますよ。

桜や紫陽花の名所としても有名。ベンチに腰掛けたり、散策したりと優雅な時間を過ごすことができます。

紫陽花の見頃時期である6〜7月頃に見られる、淡い青色の可愛らしい「星アジサイ」に青もみじ、美しい苔のコラボレーションは圧巻ですよ。

拝観時間

9:00~17:00(11月8:30~17:00・12月~2月9:00~16:30)

拝観料金

大人 700円
中高生 400円
小学生 150円

アクセス

電車・バス

地下鉄烏丸線「国際会館駅」より、京都バスにて20分。「大原バス停」下車、徒歩約10分

自動車

名神高速道路「京都東IC」より約40分

駐車場

近隣に有料駐車場あり

三千院の周辺「実光院」にも行こう!


▶公式:実光院

参道を北へ少し歩くと「実光院」があります。実光院では美しい庭園をじっくりと眺めることが出来ますよ。

心字池を中心とした庭園「契心園」では、辺りの斜面に苔がびっしり。客殿に座って、四季折々の草花と一緒に美しい苔を鑑賞しましょう。

紅葉から春まで咲いているという珍しい「不断桜」、新緑の時期の青もみじなど、時期によりそれぞれ違った表情を見せてくれますよ!

 

【西京区】西芳寺


▶公式:西芳寺

京都の西、鈴虫寺の近くにある静かなお寺「西芳寺」。

35,000平方メートルにも及ぶ、苔の美しい庭園が有名で、あのアップルの創業者スティーブ・ジョブズもお忍びで何度も訪れたという苔寺。

境内は120種余りの苔で覆われていて、その美しさには息をのみます

上下二段に分かれた庭園で、上段は枯山水式庭園、下段は黄金池を中心にした池泉廻遊式庭園。池の周りに生い茂る「緑一色」の木々や苔はいつまでも見ていられますよ。

そんな美しい庭園が堪能できる西芳寺ですが、参拝するには事前に往復はがきによる「事前申し込み」が必要です。少しハードルが高くなりますが、一度は訪れてみたい庭園ですね。

参拝方法

往復はがきによる事前申込(中学生以上のみ)

開門

原則1日1回の開門
7月〜9月は10時、それ以外の月は13時(変動あり)

参拝冥加料

1人3,000円以上

アクセス

電車・バス

京都市バス(63または73系)「苔寺・すず虫寺バス停」下車、徒歩3分

阪急京都線「桂駅」よりタクシーで10分ほど

自動車

京都縦貫自動車道「大原野IC」より約17分

駐車場

周辺コインパーキング利用

ちょっと足を伸ばして嵐山で苔を堪能しよう!

祇王寺(ぎおうじ)


▶公式:祇王寺

平家物語にも登場する祇王寺。参道を歩くと中央に美しい苔庭が広がっています。くねくね曲がった歩道から色んな角度で撮影してみましょう。

紅葉時期には混雑しますが、渡月橋界隈の人の多さに比べると嘘のように静か。

茅葺屋根と緑の絨毯のような苔は見応え抜群で、侘び寂びを感じさせてくれますよ。小さな庭園なので短時間で全部見れちゃいます。時間があまりないけどもう一軒という際にもオススメです。

常寂光寺


▶公式:常寂光寺

嵐山の有名観光スポット「竹林」を抜け、少し登ったところに位置する常寂光寺。小倉山を境内として、辺りを取り囲む「塀がない寺」として有名です。

仁王門から末吉坂へかけて、本堂奥にある池の周辺に苔が青々しく苔むしています。初夏〜夏にかけての青モミジとの「一面緑の世界」には心が洗われるよう。

常寂光寺は「散り紅葉・敷き紅葉」といわれる紅葉を楽しむことが出来るのも魅力!そこら中に敷き詰められた落ち葉による自然の絨毯も、鮮やかでキレイですよ。苔の上に寄り添うように落ちているモミジのコントラストは、素晴らしいの一言。

 

【左京区】東山慈照寺(銀閣寺)


▶公式:銀閣寺

京都を代表するお寺の一つで、修学旅行生も多く訪れる銀閣寺。金ピカで派手な金閣寺と違い、地味な印象な銀閣寺ですが、実は多くの苔が生息していることでも有名です。

苔寺として有名な「西芳寺」の庭に習って造られた庭園で、斜面に苔が広がっています。マットのようにかなり厚みがあり、丁寧に管理された苔が良い雰囲気を演出してくれていますね。

銀閣寺では「合う苔」と「合わない苔」がピックアップされ展示されています。大切に管理されている「スギゴケ」、ちょっと邪魔なミヅシダゴケ、とても邪魔なジャゴケなど。

区別されてしまい可愛そうな気がしますが、邪魔な苔を放置してしまうと、大切に育てている大切な苔を侵食してしまったり、取り返しの付かないことになってしまいます。数十年数百年かけて「育ててきた苔」を守るためにもしっかりと区別しているようです。きれいな庭を保つのは大変なんですね。

参拝時間

夏季(3月〜11月末)
8:30〜17:00

冬季(12月〜2月末)
9:00〜16:30

参拝料金

高校生以上 500円
小・中学生 300円

アクセス

電車

JR京都駅より
市バス100系統乗車「銀閣寺前」下車、約5分

阪急京都線「河原町駅」より
市バス32系統乗車「銀閣寺前」下車、約5分

自動車

名神高速道路「京都南IC」より約30分

駐車場

京都市営「銀閣寺観光駐車場」利用

まだある!銀閣寺周辺の苔スポット

南禅寺南禅院


▶公式:南禅寺

南禅寺の有名スポット、レンガ造りの水道橋「水路閣」の奥にある南禅院は、南禅寺発祥の地。心字池を中心とした庭が広がっていて、周りには厚みのある苔の姿が見られます。

青紅葉の時期には辺り一面緑色に染まります。規模は大きくありませんが、人も少なめなのでゆっくりと鑑賞できるスポットですよ。

無鄰菴(むりんあん)


▶公式:無鄰菴

ゴリラがいることで有名な「京都市動物園」の目の前に「無鄰菴」という素晴らしいお庭があります。大きな庭ではありませんが、東山を借景としてかなり大きく見せている造りには驚かされます。

紅葉の名所としても知られ、真っ赤に染まった紅葉と、足元の苔とのコントラストは素晴らしいですよ。観光客の多い南禅寺界隈の中でも、人が少なめなのもいいですね。

建仁寺


▶公式:建仁寺

京都最古の禅寺といわれる建仁寺。中庭にあたる「潮音庭(ちょうおんてい)」では美しい苔が間近で鑑賞できますよ。

大書院・小書院のあいだに位置し、辺りを廊下で囲まれているので、色んな角度から庭を眺められます。落ち着いた空間にちょこんと座って穏やかな時間を過ごしましょう。

法然院

▶公式:法然院

銀閣寺から一番近い苔スポット。哲学の道から少し入ったところにある法然院は、混み合う銀閣寺をよそに比較的空いている穴場スポットでもあります。

苔むした山門の茅葺屋根、白い盛り砂「白砂壇(びゃくさだん)」と、青もみじ・苔のコントラストは感嘆の声が漏れるほど。また、山門を額縁に見立てると、奥のグリーンが映えるおしゃれな写真も撮れますよ。インスタ映え間違いなし!

 

【東山区】臨済宗大本山 東福寺


▶公式:東福寺

奈良の東大寺と興福寺から1文字ずつ取って名付けられた「東福寺」の歴史は古く鎌倉時代。20万平方メートルを超える広い境内をゆっくりと散策してみましょう。

東福寺は京都でも1、2を争う紅葉スポット。「臥雲橋(がうんきょう)」から眺める「通天橋」と紅葉のコラボは有名ですね。

回廊から眺める紅葉に加えて、丁寧に手入れされた苔が大変美しい

苔は通年見られますが特に生き生きとしている梅雨〜初夏にかけてがオススメですよ。

境内を散策していると出会ういくつかの庭園。

江戸時代中期に策定された伝統的な庭園やモダンな市松模様だったりと、どこも丁寧に雑草を抜いて育てられた「青々しい苔」が広がっています。

拝観時間

「4月~10月末」9:00~16:00
「11月~12月第1日曜日」8:30~16:00
「12月第1日曜日~3月末」9:00~15:30

拝観料金

「通天橋・開山堂」
大人400円
小中学生300円

「東福寺本坊庭園」
大人400円
小中学生300円

アクセス

電車

JR奈良線・京阪本線「東福寺駅」より約10分

自動車

第二京阪道路(阪神高速8号京都線)「鴨川西IC」より約5分

駐車場

無料(紅葉の期間は閉鎖)

東福寺近くの苔寺はココ!

芬陀院(ふんだいん)

東福寺の塔頭のひとつである芬陀院。東福寺と一緒に参拝するのにぴったりですね。

雪舟が作庭したと伝えられる枯山水庭園「鶴亀の庭」。雪舟寺とも呼ばれています。コンパクトな庭園ですが苔の絨毯が美しいですよ。

茶室「恵観堂」から座って眺められるのも良い。ちょっとした休憩スポットにもなりますね。

御寺泉涌寺 別院 雲龍院


▶公式:雲龍院

東福寺から泉湧寺へ向かいましょう。泉湧寺の奥に位置するのが雲龍院です。

蓮華の間から眺めるお庭に心癒されます。手入れの行き届いたお庭は気持ちがいいですね。蓮華の間の障子窓を覗くと「椿・灯籠・紅葉・松」がそれぞれの窓に映し出されます。人がいなかったら是非試してみて!

 

【左京区】瑞巌山 圓光寺


▶公式:瑞巌山 圓光寺

銀閣寺よりさらに北へ行ったところにある圓光寺。紅葉の時期には「散りもみじ」が美しいスポットとしても有名です。

中門を抜けた先にある「十牛之庭」は必見。

初夏~夏には青モミジ、秋には紅葉と一緒に見られる苔の姿が美しい。一面を緑の絨毯が覆っているふっくらした苔は見ごたえがありますよ。客殿の縁側に座ってゆっくりとした時間を過ごしたいですね。

苔をまとい肘をついた「お地蔵様」の嬉しそうな笑顔にこちらも思わずニンマリ。青もみじ時期は人も少なく、苔の鑑賞にもベスト!

洛北の静寂さの中、鮮やかな緑の木々や苔を眺めていられますよ。

参拝時間

9:00〜17:00

参拝料金

大人 500円
中・高校生 400円
小学生 300円

アクセス

電車

叡山電鉄叡山本線「一乗寺駅」より約15分

自動車

名神高速「京都東IC」より約25分

駐車場

30台あり

比叡山口の瑠璃光院も必見


▶公式:八瀬 瑠璃光院

春や秋なら特別公開されている「瑠璃光院」にも足を伸ばしてみましょう。普段は拝観できない年2回の公開時にはぜひ行ってみたいスポット。

比叡山の入り口「叡山ケーブル」の麓に位置する瑠璃光院は、「瑠璃の庭・臥龍の庭」といった庭を始め、いたるところで苔が見られますよ。

中でも瑠璃の庭はふっくらとした苔が斜面いっぱいに生えています。鮮やかな緑色が爽やかな気持ちにさせてくれます。苔目的なら青もみじと見られる春の拝観時期がオススメです。

 

大阪には苔玉体験スポットがいっぱい

庭師の作った苔を堪能すれば自宅で育ててみたいと思いますよね。京都からも電車ですぐの大阪には苔玉や盆栽を作れる体験スポットがたくさんありますよ。

一度体験して自宅に緑を増やしてみましょう。

自分だけの苔玉・盆栽づくり。大阪で体験できるスポットはココ